心の温度

「山根さん、噂って?何なんですか?」
「山根さん。」と深井主任
「イヤ、深井主任。本人が知らないのは良くないわ。ねぇ加藤さん。」
「うん。そうよ。深井くん。」と言って
加藤さんが、私についてのウワサを教えてくれた。

「昨日辺りから"井上不動産の【経理課のマドンナ】が離婚した途端、社内の男性社員たちに告白されまくって、それに困っていた【マドンナ】が遂に体調不良で倒れた。
それを打破する為に出向を命じられた。"
そして、そんないい女はどんな女性?って昨日の午後から用事もないのにプロジェクト室を覗く野郎達がいるのよ」

「え!本当ですか?………」
「大丈夫です。プロジェクトチームで貴方を守ると思います。」
「あら、どうして?深井くんはそう思うの?」
「………それは……私からは言えません」
「深井くん。知ってるなら教えなさいよ」
「加藤さん。すみませんがリーダーからお聞き下さい」
「リーダーは知ってるのね?」
「はい…」
「なんか、スッキリしないけど北川さんがうちの会社でイヤな思いをしないならもう、聞かないわ」
「ありがとうございます。そうして下さい」

私1人がよくわからなかった。
でも、また怖い事がないように主任が帰ってきたら相談しようと思った彩音だった。
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