心の温度

一緒に聞いていた樹兄が
「北川さんの井上での仕事や個人情報を集めてるヤツ等がいるらしいぞ」
「え?」
「オイ、樹、大丈夫なのか?」
「まず〜亮の【ミッション1】
プロジェクトの顔合わせの時に北川さんがストーカー被害に遭ったことと、真野さんと最近付き合い始めたが、このプロジェクトの野郎どもで北川さんが傷付けられないように見守り隊になろうと提案する〜」
「【ミッション2】出張でそれとなく真野さんの気持ち確かめて〜もし本気なら社員食堂で真野さんと北川さんは恋人だと、情報を流せ!」

「樹兄、そんな事したらめちゃくちゃにならない?」
「ククク。名付けて【周りから固める作戦】
大ちゃんの時みたいな感じ?」
「でもさ、真野なんて北川さんの息子やご両親にかなり信頼されてるからな」
「今は、真野さんの向かいのマンションに北川さんが暮らしてるんだよな?」
「ああ、真野んちのおばさんも足悪くて大変だからたぶん、優しい北川さんはおばさんの様子なんかも気遣ったりすると思う。」

樹が
「何だよ〜偽装とか言ってる割りに状況的には本格的な奥さんじゃん。これでくっつかなかったら余程な心の傷があるって事だな」

「なぁ、樹、お前さぁ本当に人の心理がわかるよなぁ…感心するわ。専務なんか辞めて、恋に悩む男女の恋愛成就プランナーになれ! ハハ」

「それより樹兄は早く心の底から愛する女性を見つけて自分の恋愛成就しろよ」

「ハイハイ〜。」
亮はお節介かもしれないがプロジェクトのメンバーがストーカー被害や噂で優秀な人材が潰れて欲しくないと思った。

しょうがないけど樹兄が言ってた【ミッション】を遂行するか! 
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