心の温度
「イルカショーの時間だから移動しようか」と主任に声をかけられた七海ちゃんと啓太ははしゃぎ始めた。
「さぁ、迷子にならないようにお爺ちゃんと手を繋ごうね」と塚田の手を繋ぐ。
知恵さんとお母さんとお父さんは、車椅子スペースの上のコーナーで見る事になり、
子供達と私と主任、お母さんと塚田さんでよく見えるところに座った。
イルカがジャンプして水がかからないだろう列に座る事にした。
既に2頭のイルカが水槽で泳いでいる。
「お爺ちゃん。近くへ観に行こう!」
「まだ始まらないから近くで観てみようか」
っと言って、啓太と七海ちゃんとお母さんを連れて、水槽まで降りて行った。
私と主任がその様子を見つめている。
「今回はお母さんのテンションが低めだなぁ。」
「ハハ。でもアレ見て下さいよ。4人で水槽に張り付いてますよ? イルカがビックリしないか心配です。」
「ハハ。ホントだ4人ともイルカの観察してる」
「毎回、子供みたいですよね…うちの親たち…」
「お父さんもお母さんも楽しんでいただけてるなら、嬉しいよ」
「本当にありがとうございます」