心の温度
私と知恵さんはお母さんと塚田さんに子供たちをお願いして大浴場へ向かった。

「ああ、温泉久しぶり〜彩音さんは?」

「私も久しぶりですよ」

「お兄ちゃんに感謝〜」

「ふふふ。」

知恵さんと、いろんな温度のお風呂に入り、海を眺めながら露天風呂に浸かる。

「はあ〜極楽、極楽〜」

「ハァ〜癒される〜」

「彩音さんゆっくり浸かっててね!私はサウナに行ってくるから。」

「は〜い。」

彩音は露天風呂に浸かりながら、純一の実家の温泉に一度も入ったことがないのを思い出した。
純一には従業員でもない私が館内をウロチョロするなよ!っていつも言われていたなぁ……

ああ、嫌な事思い出しちやった。
もう一度、中のお風呂に入って髪も洗おう。もう、純一の事で落ち込むのは止めようと思った彩音だった。

髪の毛を洗い、お湯に浸かっていたら、サウナを終え、髪の毛も洗った知恵さんもお湯に浸かる。

「ねぇ、彩音さん。この温泉さ肌がしっとりしない?」

「どれどれ〜」っと自分の腕を撫でてみると、
「本当だ〜。ツルツルなのにしっとりしてるね」
「後は、マッサージチェアーでコリをほぐしますか?」
「知恵さん、私はのぼせそうなので一度上がりますね。夜にマッサージチェアーをします」
「そう?じゃあ部屋に戻る?」
「少し休んでから部屋に戻るね」
「うん。わかった」
「じゃあ、お先に〜」と知恵さんを残して大浴場から出た彩音。大浴場からロビーの前を通ってエレベーターに乗るのだが、外の遊歩道が気になりロビーからも出れるので、遊歩道を散歩することにした。少し歩いてたら竹で出来たベンチ椅子に主任が浴衣姿で首にタオルをかけて海を眺めていた。
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