心の温度
その日の夕方、リーダーから専務が話しをしてくれた資料を渡してもらった。

「え?もう?」

「うん。何かね、2人にピッタリな企画って言ってたよ。」

とリーダーから受け取った封筒からは……
当日のスケジュールつきで、貸衣装のお店でウエディングドレス、タキシード、子供たちの貸衣装、母親たちの着物の着付けとヘアメイク、送迎タクシー、そしてレストランは3軒あって。A店は人数分お任せ立食。
B店は着席でコース料理のみ。C店はみなさんの席はあるが、予算に合わせて立食でもブュッフェ式でもコース料理でもOK。
それぞれのお店の店内の写真付きで住所の記載もされていた。大まかな料金表も添付してあった。

貸衣装の会社は専務の友達が社長をしているらしく、衣装は20%割引になるそうで、ヘアメイクも一緒に予約するなら25%割引だそうで、パンフレットと料金表もあった。

「もの凄く具体的な資料にビックリです。専務はブライダルプランナーみたいですね。」

「ああ見えても結構しっかりしてるでしょう?ハハ。」
亮は樹からの【ミッション1・2】の遂行命令を思い出しやっぱり樹兄はスゲェなぁと感心していた。

「まぁ、真野さん。北川さんやご家族とも相談してあくまでもコレはおすすめのお店ですからね。もしこの樹兄の知り合いの店を使うなら樹兄に直接やり取りしてみて下さいね」

「はい。家族もビックリすると思います。」とリーダーからの資料に悟は、専務の有能さに驚いていた。 
その封筒を持って彩音の席に行き、
「コレ専務からの資料なんだ。帰ったら皆んなに見せてくれる?俺、今日は少し遅くなるからさ」

「はい。わかりました」と言って封筒を覗き込んだ彩音はビックリして悟を見ると悟も頷いた。

悟が彩音の肩をポンと叩いて「よろしくな」と言って、戻っていった。
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