心の温度

塚田さんは冷蔵庫からミネラルウォーターを持ってきてくれて一口のんでから

「ゴメン…」

「あや、何があったの？」と彩音を抱き抱えながらソファーに座らせた。

「ふぅ〜……… さっき、純一さんから離婚を切り出されて離婚届にサインしたの……」

「え？　どういう事？」

「……私は純一の実家には必要無い人間なんだって…旅館の女将に相応しくないような私とはサッサと離婚しろって言われてたみたいで、この慰謝料を渡されて啓太と来月末までにここから出て行けって……」

「なんなのそれ……」

「彩音さんはそれで良かったの？」

「純一は私が女将さんになれるような妻かずっとみてたみたい…
イチイチ言われないと分からないような気が利かない私は女将の器じゃあないって…
だから必要ないらしい…」

「うちの娘を、ここまでコケにするなんて許せない！」