心の温度
「送ってもらいすみません」

「いえいえ、こちらこそ子供たちと遊んでもらってありがとうございます。」

「ところで、真野主任と北川さんはお元気ですか?」

「はい。明日入籍するんですよ」

「明日!え〜 副社長からは2人は結婚するらしいとは聞いてましたが、明日とはこれまた速攻ですね。」

「そうなのよ! お兄ちゃんがプロポーズしてから一週間でよ? まっ、中川さんもご存知の通り彩音さんはいろいろとあったしね……」

「はい。そうですね。あの時は副社長も社長もかなり心配されてましたし…
真野主任と北川さんが結婚かぁ〜
美男美女のナイスカップルですね。こんな可愛いお子さんもいるし…」

「うん。お兄ちゃんも彩音さんも幸せそうにしてるし、子供達も喜んでるのよ」

「きっと井上不動産の【経理課のマドンナ】ファンと真野主任ファンは落ち込むと思いますよ。
そのうち、井上不動産の社内で2人の結婚話で持ちきりになると思うし……」

「あの〜彩音さんのストーカーはどうなったんですか?」

「ああ、彼は北川さんが倒れた後、副社長や部長に事情聴取されたところ…
本人は北川さんに好意を持っていて…北川さんがまた社内で危ない目に遭わないように彼なりの警護だったそうです。
そして、北川さんが倒れた日に告白するつもりだったと……
副社長から北川さんの気持ちを聞いた彼は、自分は守るつもりでいたのにまさか怖がらせていた事にショックを受けていたそうです。
役員会議の結果、山口県のプロジェクトへ入ることになりました。
左遷とかではなく、社長と副社長は暫くの間彼を遠ざける事に決めたんです。たぶん…3年は戻らないと思います…」
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