心の温度
車が自宅に到着してもまだ寝てる2人。
知恵は車を降りて、「お兄ちゃん!彩音さん!2人とも寝てるから運ぶの手伝って〜」と叫ぶと
「おかえり。知恵、ありがとうな。今、父さんも来るから」
と悟さんとお父さんで寝ぼけている2人を抱っこしてリビングに入ってきた。
知恵さんも車を停めてからリビングへ入ってきた。
「いや〜この子たちの体力にはついていけないわ。
中川秘書さんがいたから本当に助かったし、帰りは中川さんともっと遊ぶ〜って言うくらいお世話になったから、こんどお兄ちゃんと彩音さんからもお礼言っておいてね。」
「ああ、確か…中川秘書さんって以前偽装恋人の話し合いの時も子供たちと遊んでくれた方?」と博美お母さんが彩音に尋ねると、
「そうそう!コッチが地元で以前は佐藤建築工業の設計室で、井上副社長がその頃主任さんで教育係だったんだよ。副社長が井上不動産に戻る時に副社長秘書として転勤したらしいの。だから今日はたまたま実家に帰省してたのかもね。」
「え、中川秘書さんて設計士なの?」
「ああ、元々はそうらしいんだけど、大輔の大ファンでさ〜。秘書検定試験を受験して合格したから秘書にしてもらえたって言ってたなぁ」
「大輔くんは本当にいい子だからなぁ。」とお父さん。
「うん。アイツもアイツの家族も本当にいい人なんだよ。今回のプロジェクトに俺と彩音を参加させてくれたのも、大輔と社長の親父さんなんだわ。」
知恵はその話を聞いてビックリした。設計士から秘書? 何かあったんだろうかと気になった。