心の温度
「え、大輔さんを庇って刺されたの?」
「うん。だから大輔は弟みたいに可愛いヤツだけど、俺の命の恩人なんだって言ってたよ。
大学時代はラグビーしてたらしいぞ、だから反射神経がいいからなのか、一瞬の出来事なのに咄嗟に大輔を突き飛ばして自分が刺されたって…」
「そうなんだぁ」
「あのね、中川秘書さんは会社だとまるで能面のように無表情なんだけど、子供達と遊んでる時の方が本来の中川さんみたいよ?」
「ハハ。あの無表情は佐藤建築工業の時の大輔のマネらしいぞ〜!」
「ねぇ、知恵さん。中川さんがあんなに子供達に好かれてるって事はさ、子供たちを馬鹿にしたりしないと思うんだよね。子供にも誠実というか信頼されてるというか、子供にも優しいし、きっと、ピュアな人だと私は思うの。駆け引きしたり陥れたりするような人じゃあないと思う」
「うん。確かに今まで付き合った彼氏達なんかより信頼さや誠実さは感じる…」