心の温度

「しんみりしちゃってゴメンね!私の実家はコッチだし、時々遊びに帰ってくる時はこうしてみんなでご飯食べようね!」

「そうだな、またコッチへ来る時は連絡するから」
「ハイ!」「せんぱ〜い絶対に約束ですよ!」
と言って最後のコーヒーも飲んでからお店の前で私たちは別れた。

「岸本さん、彩音を心配してたんだな」
「うん…あんなに若い子に心配されてたなんてね」
「俺は渡辺が可哀想な立場になってるのが気になったけどな」
「伊達さんだっけ?」
「ああ、スゲェズル賢いヤツなんだよ。でもさ、課長も部長も知ってるからそのうち辞める事になると思う。」
「どうして?」
「実はさ〜木材店と癒着があるかもって疑惑があるんだよなアイツ」
「え、じゃあ使ってない木材の支払いとか?」
「たぶん、木材店からたっぷり接待や賄賂を受けてると思う。そういうのってバレて無いと本人は思ってるけど、会社は証拠集めしてるわ」
「ああ、何となくわかるその件…請求されてる金額がお家の大きさに比べて高すぎるから部長が水面下で調べてたかも〜」
「だろ?きっと伊達は警察に捕まると思う」
「うん」
「さ!子供たちが待ってるから帰ろか?」
「うん!」
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