心の温度

「じゃあ、新婦サマ、御手洗いを先にお願いしますね」
「ハイ。」
トイレから戻りカーテンで仕切られた部屋でウエディングドレスを2人のスタッフさんに着せてもらう。
お産後のウエストニッパーのようなビスチェを締め上げられる。
「あまりキツくしませんよ」と言ってたのに結構ビシ!っと締められた。

レースの袖を破かないように気をつける。背中はファスナーではなくホックをかける。

とりあえずウェディングドレスを着た!
この控え室を出るときにベールを付けてもらうらしい。
スタッフさんがカーテンの仕切りを開けた。
「お母さんすごいキレイ!」
「お母さんお姫様だ」
「うわぁ、お兄ちゃんが鼻血だすかもね〜」
「あら〜なんて素敵なの。綺麗な花嫁さんだわぁ」
「あや、本当にそのウェディングドレス似合ってるよ。綺麗だよ」
とみんなに褒めてもらえた。
スタッフさんに手を引かれ、椅子に腰掛ける。

知恵さんが、
「私、お兄ちゃん達の方を見てくるね!」と控え室を出て行った。
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