心の温度

図書館とホールのテープカットに間に合った。

キョロキョロすると図書館の入口の近くに悟さんは山元サブリーダーと並んで立っていた。

4人でテープカットのセレモニーを眺めていたら
悟さんが気がついて、急ぎ足でコチラへ向かってきた。
「彩音、啓太と七海に知恵まで……
彩音、もし万が一何かあったらどうするんだ!」
「もう、安定期だし…知恵さんに付き添ってもらってるし〜」
「知恵も断れよ〜」
「お父さん、お母さんはお父さんのお仕事カッコいいから見に行こって言ったんだ。僕もナナもお父さんのカッコイイお仕事見たいから来たんだ。
だからお母さんも知恵ちゃんも叱らないで」
「……」
「僕たちさっき市役所も見たよ!お父さんのお仕事カッコイイね!」
「ありがとう啓太。」
「私はこの図書館が可愛いから入りたい」
「ありがとう七海。」
「ゴメンね。でも悟さんの仕事を見せたかったから…」
「帰りはみんなで一緒に帰ろうな」
「ヤッタ!お父さんと一緒に新幹線乗れる」
「うん。ケイと私で手も繋ごうね!」
「ふふふ。」
「ハァ〜、いつも俺の負けだ。でも褒めてくれたからもう叱らないよ。
でもお母さんと赤ちゃんも心配なんだよ。」
「「うん…ゴメンなさい」」
「いや、お父さんもゴメン…
啓太と七海に褒めてもらえたからもっとお仕事頑張る元気出たわ」
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