心の温度
顔を洗ってからTVを見ていた啓太に声を掛けた。
「啓太〜まだお話しがあるんだけど」
「何?」
「あのね、今度のお休みに引っ越しするの。」
「え? ここには住めないの?」
「うん。もう違う家族が住むらしいの」
「え?お父さんは?」
「お父さんはずぅーと旅館のお家に住むからここには住まないから……でもねー!今度住む所は会社の近くだよ!」
「ふ〜ん。あのさお母さん、おもちゃは持って行ってもいいの?」
「うん。啓太のおもちゃは持っていこうね。」
「うん! あー良かったぁ〜 お父さんに返さなきゃダメなのかと思ったから〜 ハァ良かった」
もしかしたら啓太も純一の顔色を伺っていたのかもしれない…
子供の純粋な優しい気持ちを逆手に取って啓太を言いくるめていたのだろう…
純一や純一家族の本質を見抜けなかった私が未熟だったんだなぁ。
特に結婚してからの5年は最悪だった…
でも私だって…嫌われていてもあの家族ともっと関われば違ったのかなぁ…と反省した。
これからはもう少し深く考えて行動するようにしよう。
受け身ばかりだったから今度からはもう少し積極的に人と関わるようにしなきゃ!