心の温度
純一とはお互いバイトもしてるし
予定を合わせてデートするようになった。

「彩音の家族構成は?」

「うちは母子家庭でお母さんは
市役所に勤めてて私は一人っ子だよ
純一は?」

「俺んちはここから1時間くらいの
温泉街で旅館やってて両親と妹だよ」

「旅館!スゴイね!」

「別に凄くないよ。母さんは3代目女将
で、父さんは経営の方をやってて
家族経営のような旅館だよ」

「へぇ〜由緒ある旅館なんだね」

「だから俺はホテルに就職しても
いずれは実家の旅館を継ぐんだわ」

「そうなんだぁ」
彩音はこの時深く考えていなかった。
初めて付き合う彼氏の事を知りたいというだけだった。

でも純一は違った…
いずれ俺の嫁さんは4代目女将に
相応しい容姿と気配りができる女性と
考えていた。
彩音は学校の中で1番の美人だし
経理コースならば旅館の経営にも
プラスになるだろう
ただおとなしい性格だから女将として
大丈夫だろうか?…
まだ時間はあるし考えよう。
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