心の温度

井上 大輔〈いのうえ だいすけ〉

副社長室にさっき社員食堂へ行った中川がバタバタと慌ただしく入ってきた。
「副社長！恋の予感をキャッチしました！」
「はあ？中川に告白してくれた女子社員がいたのか？」
「オレじゃあないッス！　お友達の真野主任ッスよ」
「悟？アイツに恋バナ？ナイナイ」
「いや〜きっとくっつくッス！！」
「相手は誰だよ。」
「なんと！【経理課のマドンナ】こと本山さん、あ、離婚されたので北川さんッス」
「は？あの本山さんが離婚？！で、
なんで恋の予感なんだよ〜」
「社宅の501号室に本山さ、あ、北川さんが息子さんと入居したらしんですが、お隣の502号室が真野主任ッス！お2人ともお子さんが保育園ルームに入園してますし〜コレは、コレは〜」
大輔が椅子から立ち上がり持っていた書類で軽く中川の頭を叩く。
「イテッ、副社長〜これは本人に確認した方が良いと思いますよ〜」