心の温度
中川が副社長室を出てから悟に電話した。

〜…〜…
「はい。大輔?どうした?」

「よう!お前も七海ちゃんも元気?週末俺んちで呑まない?そのまま七海ちゃんと泊まれば良いしさ」

「そうだな、久しぶりだしお前んちのユウちゃんも大きくなっただろ?」
「ああ、毎日俺は怪獣にされてやっつけられてるぞ!」
「ハハ!やっぱり男の子は違うなぁ〜真央さんもご両親も元気?」
「ああ、相変わらず元気だぞ。」
「俺も日曜日は親父と接待ゴルフあるからさ、金曜日は?会社からそのまま俺と一緒にさ」
「じゃあ、金曜日に七海と俺も泊まりの準備しとくわ」
「ああ、そうして、うちの母さんが七海ちゃんを離さないかもしれないからヨロシク!」
「ハハ。おばさんは女の子大好きだもんなぁ」
「良くご存知で〜じゃあ、金曜日にまた連絡するな」
「了解。じゃあな」
「おう」ピッ!

離婚した頃の悟を思い出していた大輔…

1番信頼していた妻の育児ノイローゼと育児放棄で悟の心はズタズタに傷ついていた…なのに…がむしゃらに働いてたあの頃の悟……

七海ちゃんを育てるのは他人にはわからない苦労がたくさんあっただろうし、本来なら住宅部門の主任ではなく海外や大きな都市開発などが悟には相応しい仕事なのになぁ…

悟の氷の心を溶かしてくれる女性は一体誰なんだろう…
【経理課のマドンナ】なのだろうか…

悟も七海ちゃんにも幸せになって欲しいと思っている大輔
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