エアラブまとめ
好きな人は✕✕(お題:学校の怪談)
放課後の誰もいない屋上は、あたしにとって憩いの場だ。
いつものように行くと、フェンスにもたれ掛かる大和くんが手招きをした。
「今日はね」
あたしがその日の話をすると、大和くんはにこにこと聞いてくれる。
あたしが彼に恋心を抱くまで時間はかからなかった。
クラスも部活も分からない。
もっと彼のことが知りたい。
あたしはある日、担任に大和くんについて聞いてみることにした。
するの、先生は顔面蒼白になった。
「先生……?」
「あのな、落ち着いて聞け――」
ずっと先生の言葉が離れず上の空だった。
あたしは授業中にも関わらず屋上をめざして駆け出した。
「大和くん!」
しかし、彼はどこにもいなかった。
「嘘だって言ってよ!」
あたしはコンクリートの上にへたり込むと、嗚咽を零した。
先生の言ったことが何度も反芻した。
“大和は、相川大和は、二十年前にいじめを苦に自殺したんだ――