オー!マイ・ハワイ!
「お水買ってきてもらえる?」

「了解。すぐ戻ってくるから」

そういって、修二は部屋を出ていった。こんな時間に何を買いに行くんだろ。不思議に思いながら、ゴロンとベッドに横になり、スマホをいじる。

隆史との思い出の写真をスクロールして見返す。ニコニコと楽しそうなものばかり。まなみはどうしても消せずにいたが、まとめて選択するとゴミ箱のアイコンをタップし、スマホを置いた。

ベッドルームの窓際から外を見ると、月明かりにダイヤモンドヘッドが照らされて、幻想的だった。ハワイにきて、本当に良かったな。修二にも会えたし、自分の中にあった隆史への未練も全部手放せた。

修二、私と富山で会ったことあるって言ってたな。いつ? どこで? まったく思い出せない。戻ってきたらきいてみようかな。




コンビニから戻ってきた修二は、水をまなみに渡すと、服を脱いで下着姿になりベッドに潜り込んだ。

「なんでまた脱ぐの?」

「まなみとくっつくときに、服が邪魔なの」

そう言ってまなみをぎゅーっと抱きしめた。軽くチュッとして、笑い合う。いまなら富山でのことを聞けるかな。

「富山でのこと、聞いてもいい?  私と、どこで会った?」

「ことしの三月に居酒屋けんちゃんで隆史の仕事関係の人と飲んだの覚えてる?」

「隆史……? 私、修二に話ししたっけ? あぁえっとけんちゃんの送別会ね……」

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