オー!マイ・ハワイ!
詩乃ちゃんは反対しそうだな。修二のお父さんは喜んでお披露目パーティーを企画したくらいだからたぶん大丈夫。

そういえば、修二にはお兄さんがいるって、里穂さんが言ってたっけ。どんな人なんだろう。というかお披露目パーティーに、誰が来るんだ? それも聞かなくちゃ。

修二の家族に、自分をすぐに受け入れてもらおうなんて、これっぽっちも思っていないけど、修二のことが好きなのは本当だから、それだけはちゃんと伝えよう。

財産目的だと、思われても仕方ない。最初っからそんなものに興味はないといっても、信じてもらえるのだろうか。修二と一緒にいられたら、どこでもいいのだけど。

猪突猛進、高山まなみ。そのままの私で行こう。戦うのではなく、相手の気持ちや考えをよく聞いて。尊重して。

大好きな修二の家族。結婚するのなら、受け入れがたいことも受け入れて、うまくやっていく必要はある。その免疫はもう隆史の時に獲得済みだ──


若い子に、農家の仕事なんかできない。そう隆史のお母さんに言われて、負けず嫌いに火がついた。休みのたびに隆史の家で、農作業を手伝ったり、夕食の支度をしたり、《《農家の嫁》》というものに、なんとか近づこうと必死だった。

幸いにも、義母(おかあ)さんは、その姿を認めてくれて、あれやこれやと世話を焼いて教えてくれた。

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