オー!マイ・ハワイ!
《《農家の嫁》》、これは合う合わないがあるなと思ったが、自分には合っていた。汗水垂らして働くことは、すごく楽しかったし、稲が育っていく様子を見るのもやりがいがあった。稲刈りの前に婚約破棄されたから、収穫を見れなくて残念だったけど。

婚約破棄されたときは、お先真っ暗だと思ってたのに、人生ってうまくいくようになってるのかな。

見た目は失敗にみえても、長い目で見たら、そうでもないのかもしれない。
部屋に戻ると、修二も起きたようであくびをしながらベッドに座っていた。

「まなみ、きょうサンドバー行こうか」

「行きたくなさそうだったじゃない? 無理しないで、別のところでもいいよ?」

「行こうよ。すごくきれいなところだから、いい思い出になるよ」

まなみはわかった、というとお腹の虫がグーと鳴って思わず赤面した。修二はふふっと笑っている。

「朝ごはん、スパムおにぎりにしない? お店に寄りながら、サンドバー行こう」

「お米、しばらく食べてなかったから嬉しい」

「チェックアウトするから荷物まとめといてね。ヴィラに荷物預けていこう。あとサンドバーで泳ごっか。水着ある?」

水着は持ってきた。プールや海で泳ぐ気満々だったから。サンドバー、本当に楽しみ。旅行もあと3日。3日目はもうほぼ帰るだけの日程になっているから実質遊べるのはきょうとあすの2日だけだ。お披露目パーティーに参加したら、おみやげも買わなきゃ。

服は水着に着替えやすいようロングスカートに。首の詰まったフレンチスリーブのブラウスをインした。キスマーク対策は完璧って……水着は? 泳ぐまでに消えるんだろか。ハワイだからそんなに気にしなくてもいいんだろうけど、なんか恥ずかしいな。

修二の部屋をチェックアウトするのと同時に、私の部屋もチェックアウトした。ちょっともったいなかった気もするけど、修二と一緒にいられたらそれでよかった。
< 109 / 154 >

この作品をシェア

pagetop