オー!マイ・ハワイ!
わぁわぁ騒いでいると、人が集まってきた。詩乃はマイクに肩を無理やり抱かれ、手を払おうと必死だ。その手がマイクの友だちの頬にパチッと当たってしまった。

「いってえな、なにすんだ──!!」

詩乃に平手をくらわそうと友人が手を上げた。まなみはとっさに体が動いて、ふたりの間に割って入った。

バチンッ──!!

すごい音がして、まなみは思いっきり顔を叩かれた。その勢いで吹っ飛び、近くにあったテーブルに頭をぶつけて砂の上にドサっと倒れこんだ。

「まなみさん! まなみさん!?」

「おい! やりすぎだろ?」

マイクが止めたが、友人はもう頭に血が上っていた。こんどはまなみにかけ寄ってしゃがみこんだ詩乃を、後ろからつかんで殴りかかった。

「調子にのんな──」

そう言われて詩乃は目をつぶったが、バンバシッと言う音と、うっ!!という叫び声がして、つかまれていた手が離れる。

修二が杖を竹刀にして飛びかかり、マイクの友人をぶっ叩いたところだった「はぁっ、はぁっ、はぁ……詩乃、大丈夫か?」

「お兄ちゃん! まなみさんが! 早く!! 救急車呼んで!!」

まなみは頭を切ったのか、砂に血が付いている。意識はなく、ぐったりしていた。近くにいた人も助けに加わり、警察がきてあたりは騒然となった。

まなみが気がついた時には、もう病院のベッドの上だった。

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