オー!マイ・ハワイ!
そううなだれるマイクに、修二は何も言わずにギロっと睨んでその場をあとにした。あの後のことは詩乃からきいた。自分の失言が原因で、トラブルが起きたこと。
修二が誰かに借りてきた杖を使ってチンピラ? をやっつけたこと。

まなみは頭を切っていて意識がなく、救急車で運ばれたこと。検査したけど異常はなかったこと。

修二は警察に事情を聞かれたが詩乃が正当防衛を主張し、おとがめなしになったこと。

まなみはあれから眠り続け、お披露目バーベキューはもちろん中止。花火大会の夜から二日も経っていた。

「まなみさん、本当にごめんなさい。私のせいなんです……」

詩乃は失言の詳細を、素直にまなみに言えなかった。もう、それが現実になった以上、口にするのも恐ろしかった。

ただ自分の《《失言》》が原因だと告げて、深々と頭を下げて謝った。

涙が止まらず、なかなか頭を上げない詩乃にまなみは声をかけた。

「気にしないで。詩乃ちゃんが無事でよかったよ。英語だったから全然意味がわかんなくてさ」

詩乃が恐る恐る顔を上げると、まなみはニコニコほほえんでいた。ベッドの後ろから光が差し込んで、まるで天使みたいだった。

その後、体調も異常ないので昼過ぎに退院した。

修二の車でヴィラへ戻る。詩乃も後ろに乗って。

「お兄ちゃん、キャメロンの家、寄れる?」

「あぁ、下ろすだけでいい?」

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