オー!マイ・ハワイ!
修二はお世話になった営業部に顔を出すと、しばらく談笑し、高山さんの娘さんと結婚するという話で、多いに盛り上がった。

「よかったね。久しぶりに話ができて」

「退職して以来、初めてきたからな。みんな元気そうで良かったよ」

「不思議なもんだね。最初から修二と結婚するつもりだったみたい」

「運命だな」

修二は助手席でふふんと笑ってみせた。まだ、二日酔いか? それにしても、富山を修二も楽しんでくれているようでよかった。

まなみはロープウェイの事務所に寄った。ロープウェイは冬季休業中だが、社員は観光協会の仕事などをするので、事務所はいつもあいていた。

「えーっ!! 高山くん、仕事辞めるってどういうこと!?」

デスク越しにまなみが話を切り出すと、社長はびっくりしてガタンと立ち上がった。

「突然で申し訳ありません、実は結婚することになりまして……」

「君がいなくなると、さみしいなぁ」

社長はドカンとイスに座り直すと腕を組んだ。惜しんでくれることが、ありがたかった。

「看板娘の退職はこたえるよ」

「看板娘なら、他にもいっぱいいるじゃないですか」

「いや、高山さんはみんなの見本でもあったからね。本当に残念だよ」

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