オー!マイ・ハワイ!
「はい、ミルクティーも買ってきたよ」

「ありがとう。残念だって言われたけどね。でもいいんだ」

「うん。東京で、もっと楽しいこといっぱいしよ?」

そうニコリと微笑む修二と手をつないで車まで行く。雪がチラチラ降ってきていた。

「さあ、あとは居酒屋けんちゃんだな」

「友だちがバイトしてるから夕飯ついでにそこがいいかなと思って」

「けんちゃん、送別会以来かなぁ。楽しみ」

「最終の新幹線は何時?」

「21時11分だよ、ここからなら15分もあればいけるかな。30分前くらいには店出るよ」

修二はあす仕事があり、先に帰る予定になっていた。

ガラガラっとドアを開け、開店直後の居酒屋けんちゃんに入る。元気な芽衣の声が中から聞こえた。「いらっしゃい! まなみ、おかえりー!! 待ってたよ」

芽衣にお土産を渡すと、ニコニコ喜んでいた。中身はリクエストのマカダミアナッツだ。

「芽衣、こちら北山修二さん。電話で話した方だよ」

「はじめまして……って、北山さん?」

芽衣は目を丸くしていた。あんたも修二と知り合いなのかい?

「芽衣ちゃん久しぶり! まなみと友だちだったの?」

修二は慣れた様子で、芽衣と話をし始めた。修二は居酒屋けんちゃんの常連で、大学の頃からバイトをしていた芽衣とも知り合いだったらしい。

「いろいろ聞きたいですけど、とりあえずお部屋にご案内しますね」

< 141 / 154 >

この作品をシェア

pagetop