オー!マイ・ハワイ!
「いいよ、弁当買ってきた。何も食べてないでしょ?」

「わーい、ありがとう」

ふたりで弁当を食べるのも、しばらくはできないだろう。わいわい話しながら食べると荷物をまとめ、帰る支度をした。

ひとりで行くと言ったのだが、芽衣は駅まで送ってきてくれた。

「まなみ、元気でね。また会おう」

「ありがとう。芽衣もね」

新幹線の改札で別れを言って手を振った。また今度、修二とくるねと約束して。新幹線かがやきに乗って2時間、東京駅に着いた。チラチラ雪が降っていて、今夜は積もりそうだ。

修二が帰ってくる前に、マンションに戻れそう。

マンションに荷物を置いて、スーパーに買い物にいく。きょうは寒いし、鍋にしとこう。鍋の具材を買いこみ、家に帰った。

18時半。いつもより少し早めに修二は帰ってきた。キッチンで支度をしていたまなみは、エプロンのままパタパタと玄関で出迎えた。

「おかえり、修二。おつかれさま」

「ただいま、大丈夫だった?」

「うん、手続きは全部してきたよ。あとはこっちの手続きすれば完了かな」

「そう。隆史は?」

「隆史? 会わなかったよ、さすがにあきらめたでしょ」

「意外と執念深かったな」

「婚約破棄してきたのはあんたでしょって、つっこみたかったよ」

「ほんとだな。おっ、いいにおい。きょうごはんなに?」

「キムチ鍋だよ。もうちょっとでできるから」

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