オー!マイ・ハワイ!
「だから、手っ取り早く1人で淋しそうな女みつけて、こいつだ! って?」

「なぁ俺、めちゃくちゃひどいやつだと思われてる?」

「そりゃそうでしょ」

「俺はまなみだから婚約者になって欲しいんだよ!! 誰でもいいわけじゃない!」

急に声が大きくなったのでびっくりする。

「ちょっ……修二、酔ってる? 飲みすぎた?」

「酔ってないよ……俺の婚約者はまなみしかいないんだ」

だめだ、明らかに酔っている。修二はまなみの手を取ってギュッと握った。子犬の目でウルウルと見つめてくるのはずるい。

「……お披露目はいつ?」

「3日後」

スケジュール的には問題ない。

「ごめん、ちょっと考えさせて」
「わかった。でも返事、明日には教えてほしい」

黙ってお互いの顔を見つめ合った。夜風が爽やかに頬を撫でていく。「そういえば、あの詩乃ちゃん? だっけ? 修二の妹?」

「ああ、ほんと詩乃が失礼なこと言ってごめん」

「いや、いいんだけど。かわいい顔でキツいことガンガン言うよね」

「ほんと、黙ってりゃいいのにっていつも思うんだけど」

ん?そういえば、修二さっき詩乃ちゃんに……

『この人がお兄さまの婚約者?』

『そうだよ、高山まなみさん』

んっ?詩乃ちゃんに私を婚約者だと……??

「あーーーーっ!!」

「どうした? そんなに大声で」

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