オー!マイ・ハワイ!
エレベーターまで修二は送ってくれた。2つ下の階まで降りて、自室に入る。バサッとドレスを脱ぎ、シャワーを浴びた。バスローブに着替えてバタンとベッドに倒れ込む。

修二との会話を思い出すだけで心臓が深海のごとく静かに、そして重々しく脈打っていくのが感じられて、なかなか眠れなかった。婚約者、婚約者、婚約者……
バタンと倒れ込んだ布団の中で、まなみは考えていた。

ハワイにいる間だけの婚約者。自分はそれだけで気持ちが収まるのだろうか。修二のこと、今はまだ好きとまではいかないけれど、このまま一緒になればそうなってしまうだろう。

修二はハワイにいる間だけでいいと言っているのだし、それ以上は望んでいない。ただ3日後のお披露目パーティーを、うまくやり過ごして、そのあとでダメになったなどと、適当に言いつくろうということなのだろう。

最初から別れるのがわかっていて、傷つくとわかっていて好きになるのも悲しいものだ。

私はどうしたい? ハワイでどんな想い出を作りたい? どんな未来を望んでる?

まなみはもんもんと考えながら、いつの間にか眠ってしまっていた。

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