オー!マイ・ハワイ!
そうまなみは自分に言い聞かせて立ち上がると、ちょうど修二の車が目の前にやってきた。

ハイクラスのベンツの白いオープンカー。目がくらむほどのまぶしさだった。

「お待たせ、どうぞ」

「……ありがとう」

まなみがシートベルトをしたのを確認すると、修二はゆっくり車を発進させた。左ハンドルの助手席、なんだかちょっと落ち着かないが、思わず叫びたくなるほど開放的。キラキラした虹が遠くに見えていた。

「まなみ、よかったの?」

信号で止まると、修二は心配そうな顔でまなみを見た。

「どうもケンカっ早いのは昔からで。あそこまで言われたら、やるしかないよね」

修二の顔が見られず、まなみは前を向いたまま話を続ける。

「はははっ、詩乃に感謝だな」

「あれはひどすぎだよね?」

「ほんと性格ひんまがってるよな。ごめん」

「修二、ほんとうに私でいいの?」

おそるおそる、まなみは修二の方に顔を向けると、修二はこっちをむいて穏やかにほほえんでいた。

「もちろん、ありがとう。これで心おきなく、まなみは俺の婚約者だな」

そういうと、修二はまなみのあごをくいっと自分の方に向けて軽くキスをした。まなみはびっくりして顔が真っ赤になった。まなみは修二の横顔を見ながら、心臓が痛いほどドキドキしていた。

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