オー!マイ・ハワイ!
優しい声や、サラッとした髪の毛。それなりに鍛えているであろう上腕二頭筋、色白な肌はエステに通っているかと思うほどツヤがよかった。

オープンカーの風はさわやかで心地よい。少しずつ人の増えてきたカラカウアアベニュー。ブランドショップやショッピングモールを横目に修二は車を走らせる。

しかし、その景色も目に入らないほど、まなみは修二をじっと見つめていた。

「……なに? まなみ、どした?」

修二はあんまりにもまなみが見つめてくるので、何か言いたいことでもあるのかと首をかしげた。

「見てるだけ」
「あんまり見ないで……」
「なんで?」
「ドキドキ……するじゃん?」

修二もドキドキしていたのか。まなみはずっと修二のペースになっているのがしゃくだったが、自分も修二をドキドキさせていたのだと思うと嬉しかった。

きょうはものすごく天気が良くて、サンサンと日差しが降り注いでくる。まなみは日焼け止めを塗ってきたものの、じりじりと皮膚が痛いほどだった。

「修二、この車ってルーフ戻せる?」
「日焼け、気になる?」
「うん……もうちょっとでハイウェイでしょ? それもちょっと心配で……」

「ははっ、ごめん。ちょっと俺も格好つけたかっただけ。この先にマラサダの店があるから、そこに寄ったときに戻すよ」

「マラサダ!! あの揚げドーナツ?」

「そうそう。好きそうだなと思って」

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