オー!マイ・ハワイ!
「それがブレーキみたいにひっかかってるのよ。その長い髪だってそうでしょう」

長い髪……そうか。確かにミスコンに挑戦する前はショートだった。ミスコンに向けて長く伸ばし、隆史もロングヘアを気に入ってくれていたんだ。

「前に戻れということじゃないのよ。ただ一歩進むには、ヘアメイクをかえるといいかなと思っただけだから」
「あとはそうね……」

キャメロンはしばらく考えこんでから口を開いた。

「あなたにとって、このハワイでの滞在が間違いなくターニングポイントになるわ。だから恐れず思いっきり楽しんで、思ったことはちゃんと伝えて。それと……」

キャメロンは、ハッとしたように顔色を変えた。しばらくうーん……と黙って目をつぶって、何か考えている。まなみもじっと黙ってキャメロンの言葉を待っていた。

「ハワイにいる間は、修二となるべく一緒にいなさい。どんな結果になったとしても、あなたにはチャンスも無限にある。それはいつも心にとめておいてね」

キャメロンはうつむいていた顔をあげ、穏やかにほほえむ。まなみはコクンと静かにうなづいた。

「あとは修二ね、まなみちょっと交代してきてくれる?」

まなみはテラスから庭へ出てキョロキョロと修二を探した。

「修二ー!終わったよー!キャメロンさんが呼んでる」

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