オー!マイ・ハワイ!
「あるよ。さすがにさっきフロントでもらったばっかりだし。ほら」

そう言ってまなみは修二にスマホを見せるとショルダーバッグにしまった。

「じゃあ行こう」

修二はまなみのスーツケースをゴロゴロ引っ張りながら部屋を出ると、エレベーターのボタンを押した。まなみもそれについていく。

昨日も来た修二の部屋。昼間に見るとまたちがう雰囲気、白を基調とした豪華な部屋、窓からはエメラルドブルーの海が見え、ダイアモンドヘッドが静かにたたずむ。ため息が出るほどすごい。

「この部屋、あしたチェックアウトするんだ」

「でもパーティーまであと2日あるでしょう?」

「あしたからは、さっき行ったカハラ方面に、新しくできたヴィラがあるからそっちに行く予定」

「じゃあ一緒に過ごすのはきょうだけだね」

「何言ってんの? まなみも一緒にヴィラ行くんだよ」

「私も? なんで?」

「大丈夫、部屋はいっぱいあるから」

「修二がよければいいけど……」

「まなみと一緒にいたいんだってば」

ソファに座りながら修二は恥ずかしそうにそう言うと、パチンとテレビをつけた。「あしたも天気はよさそうだね。どこか行きたいとこある?」

「サンドバーは? あの天使の海の」

修二はパッと顔色をかえた。それは、はたからみてもわかるほど。
まなみは、なにかまずかったかなと思った。

「違うところでもいいよ?」

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