オー!マイ・ハワイ!
修二はためいきをついてまなみを見た。
「ごめんな、詩乃が」
「いいけど……なんであんなに私にきつく当たるの? 由香さんってのは……?」
「……行きながら話そ。予約、7時半にしておいたから」
手をつなぎながら、エレベーターに乗りこむ。車にのるまで修二は無言だった。
ゆっくり車を発信させて、最初の交差点で信号待ちをしているとき、重たい空気を押しのけて、修二は話し始めた。
「……詩乃は大学でダンス部に入っててね、たまにハワイに来るとすぐクラブ行っちゃうんだよ。それなりに楽しんでるみたい」
詩乃が大学生ということにひどくまなみは驚いた。ずいぶんかわいらしい大学生だ、あれは入れ食い状態だなきっと。
「だからあの格好してたのね」
「ダンスの全国大会で2位になるくらい。けっこう上手いんだ、あとで動画見せるよ」
「うん見たい」
「あいつ、悪いやつじゃないんだけどな……」
そういうと、修二は黙ってしまった。まなみは《《由香》》という女性のことが気になっていたものの、言い出せずにいた。修二がそのことを、聞いてほしくないのか、話そうと思えば話せるのか、分からなかったからだ。
言いたくないなら言わないだろう……それならきくだけ訊いてみようと、修二の顔を見た。
「修二、由香さんってのは一体……?」
しばらく無言だった修二は、すーっと息を吐いて、話し始めた。
「由香ってのは、俺の元婚約者。10年前に死んだけど」
「えっ……」
「白血病だった。今もときどき思い出すよ」
修二はポツリポツリと、由香とのことを話し始めた。
「ごめんな、詩乃が」
「いいけど……なんであんなに私にきつく当たるの? 由香さんってのは……?」
「……行きながら話そ。予約、7時半にしておいたから」
手をつなぎながら、エレベーターに乗りこむ。車にのるまで修二は無言だった。
ゆっくり車を発信させて、最初の交差点で信号待ちをしているとき、重たい空気を押しのけて、修二は話し始めた。
「……詩乃は大学でダンス部に入っててね、たまにハワイに来るとすぐクラブ行っちゃうんだよ。それなりに楽しんでるみたい」
詩乃が大学生ということにひどくまなみは驚いた。ずいぶんかわいらしい大学生だ、あれは入れ食い状態だなきっと。
「だからあの格好してたのね」
「ダンスの全国大会で2位になるくらい。けっこう上手いんだ、あとで動画見せるよ」
「うん見たい」
「あいつ、悪いやつじゃないんだけどな……」
そういうと、修二は黙ってしまった。まなみは《《由香》》という女性のことが気になっていたものの、言い出せずにいた。修二がそのことを、聞いてほしくないのか、話そうと思えば話せるのか、分からなかったからだ。
言いたくないなら言わないだろう……それならきくだけ訊いてみようと、修二の顔を見た。
「修二、由香さんってのは一体……?」
しばらく無言だった修二は、すーっと息を吐いて、話し始めた。
「由香ってのは、俺の元婚約者。10年前に死んだけど」
「えっ……」
「白血病だった。今もときどき思い出すよ」
修二はポツリポツリと、由香とのことを話し始めた。