オー!マイ・ハワイ!
それはすぐ受け入れられるようなものではなかった。帰りの電車に揺られながら、由香と喫茶店でパフェを食べながら話したことを、思いだしていた。

「修ちゃん、私たちって、いったいいつ結婚するんだと思う?」

「そういわれれば、いつって決められてはないよな。知らないだけなのかもしれないけど」

「私、大学生になったら修ちゃんと結婚したいんだけど」

「えっ!? もう結婚?」

あまりに唐突な言葉に唖然としているとうん、と由香は小さくうなづいた。

「子どもとか、別にすぐじゃなくていいでしょ? でも私は修ちゃんと一緒にいたいの」

「いや、俺はいいけど……大学生じゃ由香のおじさんたちが許さないだろ?」  

「いつか結婚するならいつでもよくない?」

「うん……」

「じゃあ約束ね!修ちゃんはK大にそのまま行くんでしょ?私もA大にエスカレーターで行くから。住む場所は都内がいいよね。青山あたりでどうかしら?」

「待て待て、気が早いだろ。しかも青山は無理じゃないか? せめて自分たちでバイトして生計ぐらい立てないと。結婚してまで親のスネかじるの俺はやだな」

「あぁ、そっか。結婚するんだから自立しないとね」

「だろ? それに大学行って、バイトしてってけっこうハードだと思うけど?」

「それでもいい! 修ちゃんと一緒にいたい!」

由香の目は本気だ。その勢いは止めようがなかった。

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