オー!マイ・ハワイ!
後ろから声をかけると、パッと振り返った女の子。見ただけで衝撃があるほど美しくかわいらしい。

えっ! かっかわいい……!! 由香以外に、心が動くほどそう思ったのは初めてだった。

「すみません、ちょっと立ちくらみで……」

「出場者の方ですか?」

「はい、緊張しすぎたのかトイレを出たらクラクラと……。もう大丈夫ですから」

ふらふら歩き出したその子は、またよろけそうになるので、あわててなんとか支えた。

「そこのベンチ、座って」

コクコクと無言でうなづいたその女の子を、廊下のベンチに座らせる。

「何か飲みますか? 自販機すぐそこなんで、買ってきます」

「あったかいものがいいです……」

かなり辛そうだな。顔が真っ青。
近くにあった自動販売機でミルクティーを買って渡した。その子はゴクゴクと半分ほど飲み、ホッとしたように頬にペットボトルを当てた。「落ち着きましたか?」

「ありがとうございます。ダメですねこれくらいのことで」

ミルクティーを飲んで体が温まったのか、顔色に血の気が戻ってきていた。

「休憩のあとは結果発表だけでしたよね? あと少しです、がんばってください」

「どうしても勝ちたくて気合い入れすぎちゃいました。助けていただいて感謝しています」

「やっぱり、一位になりたいものですか?」

ミルクティーをもう一口飲んで、俺の顔を見上げるとその子は小さくうなづいた。
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