オー!マイ・ハワイ!

「一位と二位じゃ全然違いますよね。ミスコンは、友だちに言われて、あそびのつもりで応募したんですけど、レッスン受けるうちにどんどんのめり込んでしまって……やるんなら一位を目指したくって」

「負けずぎらいなんですね」

「昔からケンカっ早くて、よく親に叱られてました。男の子とケンカして泥だらけになるのもザラでしたから」

「そんな風に見えないですね。今回の手応えはあったんですか?」

「はい、自分のベストは出せました。でもたぶんダメです。もう一人のひとの方が格段に上でした。自分の不甲斐なさに怒ってます」

「あなたは……」「私は4番の高山まなみです。たぶん3番の片丘里穂さんが優勝です。レッスンでもふたりで争ってたんですけど、あの堂々とした感じは、私より断然上です。あーっもうほんと悔しいっ!!」

そういってその子は顔をおおってうつむいた。

「でも、私はこんなところじゃ終わりません。必ず何かしらチャンスをものにして、この大会を終えるつもりです」

まっすぐ前を見てそうこたえる瞳は、自信と誇りに満ちあふれていた。

「はぁ……」

なんだかその子の気迫にこっちが圧倒された。自分に誇りを持っていて、落ちてもそこから這いあがろうとするタフな精神力。転んでもただでは起きないたくましさ。

なんだか興味がわいて、もう少し話を聞いてみたくなった。

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