オー!マイ・ハワイ!
 少し赤みが残った肉の断面は輝いているといっても過言ではなかった。一口食べるとあっという間に溶けてなくなる。
 ガーリックのにおいがほんのり鼻を抜けていく。この世にはこんな素晴らしい食べ物があるのだなとまなみは感心した。

食事を終えると、すぐに眠くなった。起きたらもうハワイだろう。

 起きるともう夜は明けていた。
眼下にはエメラルドグリーンの海が広がって、オアフ島が見えている。まなみのテンションもじわじわと上がってきた。

 ハワイは2度目。前回はリーズナブルな旅行だったが、今回は違う。
 250万は飛行機代やホテル代として支払い済み、残り50万がお小遣いだ。

すべてカード決済でできるよう準備してきた。現金は200ドルのみ。5泊7日ですべて使い切る。もうワクワクして仕方なかった。

 ハワイに到着し、荷物を受け取るとタクシーでホテルへ向かう。ホテルのスイートルームは、一人で使うには広すぎるくらいだったがテンションはぶち上がり、写真を撮りまくって芽衣に連投で送った。

 予定といえば、あさって占い師のおばあさんに会うくらいであとは特に決めてこなかった。その時の気分で決めよう。そう思っていたから。

 キングサイズのベッドでゴロゴロとその広さ、柔らかさを堪能していると、スマホが鳴動する。見ればさっそく里穂からのメッセージであった。


< 9 / 154 >

この作品をシェア

pagetop