オー!マイ・ハワイ!
トマホーク・リブアイは、斧のような形をした骨つき肉。長い骨の先に、丸く肉がついている。いい匂いがしてよだれが垂れそう。はやく食べたい!!トマホークを切り分けて、パクっと一口。まなみは肉汁をかみしめてうーんと唸っていた。

「修二、これ……いままでの人生で一番おいしいかも!!」

「それはよかった。俺も食べるの久しぶり。ほんとめっちゃうまいな!!」

ニコニコと食べている修二の姿は、顔こそ笑っているが、明らかに昼間と違う。キャメロンのところに行ってから、修二は何かおかしい。まなみにもそれが感じられるほどだった。

「キャメロンのところで何か言われたの?」

「別に、なにも?」

「なんかおかしいなと思って……」

お前にいつ告白するか悩んでるなんて、言えるわけないだろ?

修二は告白なんてしたこともない。あるのは由香の散骨をしたときだけだ。好きな人にただ、好きと言うだけ。それが問題だった。

まなみにとって、きのう会ったばかりの自分。1年も前から思いを寄せていたと、すべてをさらけ出せば、重たくて嫌がられるかもしれない。

キャメロンに素直になれと言われたが、素直になるって難しい。傷つくのはやっぱり怖い。もし告白しなければ、このまま婚約者のふりだけして終わる。ふられても同じ。告白して、もしまなみも自分のことを好いてくれていれば、あんなことやこんなこと……。

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