オー!マイ・ハワイ!
まだ起きていないことを想像して、恐れているのはつまらない。いつまでもこのままでいるのか? それなら行動あるのみ。まなみに好きって言おう。ダメでもともとなんだから。

もしかしたら、あんなことやこんなことも……。もう妄想がとまらない。「早くしないと私全部たべちゃうよ?」

修二が真面目な顔で、あんなことやこんなことを妄想しているとは知らず、まなみはステーキの手が止まった修二を不思議そうに見つめていた。

「ごめん、あと食べていいよ」

「あんまり食べてないじゃん。調子わるい?」

「ちがうちがう、大丈夫だよ。ちょっと考えごと」

まなみは首をかしげたが、遠慮なく、と言って残ったステーキをパクリと食べた。

「まなみ、戻ったら花火見にいこうな」

「うん、楽しみ」

花火を見ながらだったら、修二に好きって言えるかも。雰囲気に背中をおしてもらおう。でも……。やっぱり怖いな。好きって言いたいけど、好きって言うのは怖い。その狭間でぐるぐると思いが堂々巡りをしていた。

ワイキキステーキハウスを出ると、思ったより気温が下がっていた。12月ともなるとハワイでも夜は肌寒い。

「ハックシュン!!」

さすがにノースリーブじゃ寒かったかなと、まなみは腕をさすった。

「寒い?」
「12月のハワイをなめてまし──」

なめてました、と言い終わらないうちに修二はまなみの肩を抱いた。

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