オー!マイ・ハワイ!
「くっついてたら、ちょっとは暖かい?」

「……うん、あったかい」

もう後戻りはできなかった。

「修二、こんなことされると、もう……私……」

「なに? どした?」

また、からかわれてるのかと、修二はまなみの顔を見た。顔を真っ赤にしてうつむいているのを見ると……冗談にしちゃずいぶんしおらしい。あれ?

「ねぇ、ほんとに修二のこと好きになっちゃうよ?」

潤んだ瞳で恥ずかしそうに、でもじっと見つめてくるまなみを見ただけで、修二はめまいがしそうだった。

「いいよ、ほんとに好きになっても」

よくこんな歯の浮くような言葉が出るなと、自分でも感心した。
修二はまなみの肩を抱いたまま、車まで行くと助手席のドアを開け、まなみを座らせると、すぐに車を発進させた。

バクバクバクッ──心臓が飛び出るくらい、まなみは心拍数が上がっていた。だめだ、もう何も考えられないっ!

それは修二も同じで、車内で何も話さなかった。まなみもうつむいたまま、黙っていた。

ホテルに着くと、修二はまなみの手をぎゅっと握ってぐいぐい引っ張っていく。早く部屋に行きたくて仕方なかった。

部屋の鍵を開けてバンっと勢いよくドアを閉めたかと思うと、修二は壁にまなみを追い詰めてクイっとあごを上げた。

「修二……」

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