笑顔が消える
友人・香菜恵3️⃣

その後もずっと
彩代は、苦しんだり
悲しんだりの日々。

近頃は、彩代の子供達が
彩代に会いにくる。
家ではなく、ここに。

彩代の子供で
長男の空也君と
長女の真代ちゃんだ。

私達夫婦には子供はいない。
結婚して直ぐの頃
カフェの建設で
毎日忙しい日々で
太智は、体調が悪いのを
我慢していたらしく
終に倒れて病院へ

先生から
おたふく風邪だと言われた
高熱が続き
熱が引くと頬が腫れて
二人で笑ってしまった。
太智は痛いみたいだったけど。

退院するときに
太智は、先生から
子供は98%望めないと
言われたらしく
悩んで、悩んで私に話してくれた。
離婚用紙と共に。

私は、絶対に別れないと言って
部屋に閉じこもり
飲みも食べもせずに
一週間を過ごした。

十日目には太智は、ボロボロと
泣きながら
私が死んでしまう
と、叫んで
死なないで、と。
愛してるんだ、と。

私は、
私も愛してると
太智に伝え
そのまま意識を無くした。

目が覚めた時は
ベッドの上で
横には、涙で目も瞼も腫れた
太智がいて
「本当に良いんだな?」
と、言うから
「離婚とか言ったら
同じ事してやるから。
私の気持ちを軽くみないでね。」
と、言うと
太智は、私を抱きしめて
「愛している。」
と、言ってくれた。

それからは太智と沢山話して
私達は、今に至る。

子供·······
そりゃ可愛いいだろう
でも、子供を望むなら
愛する人がいないと駄目

私には、愛する太智がいる
それだけで良い。
太智さえいてくれたら
それで。

太智は、背も高く顔も良いからモテル
だけど、まったく相手にしない
「すっごい美人だったけど
良かったの?」
と、太智に言うと
「バ〜カ。
俺が香菜恵以外に靡くとでも。」
と、言うから
「クスクスっ。愛してる。」
と、言うと呆れた顔をする太智

私は、太智を愛している
私ほど彼を太智を愛している人間は
いないと思っている。
だけど、それは私の想いで
本当は、もっと、もっと、もっと、
太智を、愛して
太智を、理解してくれる
人がいるかもしれない。
嫌、いるだろう。

だけど、太智が
私を要らないと言うまで
私は、太智の隣にいる。
ずっと、いるから。

私の話は余談だが。

子供達と合うようになり
彩代は、本当に少しずつだが
落ち着いた顔へと······

何度目かの親子の対面の時に
彩代は、家を出る事を決めた。
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