笑顔が消える
彩代の兄・和希

三嶋のお義父さんから
母に連絡があった。

初めて知った妹夫婦の話に
驚きと怒りがあった。

あんなに彩代を溺愛していた
修也君が浮気?と。
でも後日送られてきた書類と写真に
怒りしかなかった。

彩代に帰るように
直ぐ連絡したが
新しい住まいも決めて
高校から仲良しの香菜恵ちゃんの店で
働いているという。

「相談もしなくてごめんね。」
と、言う彩代に
どうせ、母に心配かけたくない
だったのだろう。

俺も、母さんも
ただ、彩代に幸せになって欲しい
だけなんだ。

赤木弁護士さんより
連絡があって。
「当事者を集めて
説明を行う予定です。」
と、言われた。

母が行く予定だったが
俺は、どうにも怒りが収まらないから
自分が行くと言った。

母さんも彩代が心配だから
行きたかったみたいだが
「和希に任せる。」
と、言ってくれた。

会議室に案内された。

修也君を見た時に頭に血が
上がったが······

その前に星也が
修也君を殴り飛ばした。
180センチからある星也
それに自衛隊で鍛えられている。

そんな星也に本気で殴られて
机も椅子も飛んだ。

女が修也君に近づいたが
それも星也が怒鳴りつけ
制止させた。

この女か·····

星也のお陰で
俺は冷静になれた。

子供にこんな事を言われて
情けなくないのか
こんな女に五年も。

どうみても
うちの彩代の方が綺麗だ。
俺の妹だしな。

言葉もない。

説明の後
三嶋のお義父さんが
最後に彩代に謝ってくれた。

これが三嶋のお義父さんが
やりたかったことだと思った。

そして、あの女性にも
自分の息子がご迷惑をおかけしました。
と、女性と女性の母親に
頭を下げた。

自分達の身勝手な欲望のまま
動く事は、こんな風になるんだと
女性にも修也君にも
身にしみただろう。
まぁ、これでわからなければ
どうしょうもない。

俺は、三嶋のお義父さんと
赤木弁護士に挨拶をして
彩代と子供達と事務所を出て
食事に香菜恵ちゃんの
カフェに向かった。

彩代を支えてくれた
香菜恵ちゃんにも
お礼が言いたかったから。
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