笑顔が消える
修也2️⃣

親父から殴られ
少し落ち着いてきたところを
星也から殴られた
その顔で
出社した俺を会社の人達は、
絡まれたのですか?と
心配してくれた。

俺は、総務の課長に連絡をした。

離婚の報告と早期退職をしたら
どうなるかが知りたかった。

離婚した事を話すと
総務課長は、びっくりして
「資産整理をやり始めたのでは
なかったのか?」
と。そう、こいつが言ったのだ。
資産整理を。
「資産整理どころじゃない。」
「ああ、そうだな。
それにしても、その顔は?」
「まあ、色々だ。」
彩代を扶養から外して貰う手続をした。

早期退職をしたら
退職金が多く払われる事と
細かく説明してくれた。

「だが、辞めてどうする?」
と、言われて
「考えてない。」
と、言うと
「離婚が原因なら······

お前の実務ならどこでもできるが、
ここを辞めたいのは
支払いがあるからか?」
「いや、家を売却したから
それで払える。」
「おい、おい。 
家を売却したのか?
まあ、それなら尚の事
ここから離れてみたらどうだ。
東北支店の総務課長が
体調壊して退職されるんだ。
行かないか?」
と、言われて
俺は、
後々に浮気をして離婚した事が
知られて問題になることも
嫌だったから、簡単に経緯を話した。

総務課長は、言葉を失い
「俺の言葉がきっかけか?
すまん。」
「馬鹿いえ。
資産整理の言葉は、お前から教えて
貰ったが、その後の事は、
俺がしでかした事だ。」
と、言った。

一時期は、誰かのせいにしないと
行き場がなかったが
こいつが悪いわけでは
ないことはわかりきっていた。

「一人でやり直すなら行け。」
と、言ってくれたから、
俺は、腹をくくる。

「ありがとう。
やらせてもらうよ。
係長が出来た奴だから
引き続きは、簡単で良いと思う
体調悪いなら早く行った方が
良いんだろ?」
「ああ。頼む。
住まいは、単身寮で良いか?」
「ああ。二週間で動ける。
支払いも終わらせる、引き続きも。」
「わかった。
早速人事部長に連絡する。」
と、言われて部署に行き
係長を呼んで話しをした。

驚いていたが
あちらの課長が体調が悪い事から
納得してくれた。

こんな俺に
味方をしてくれる何かがあるなんて。

それからは、引っ越しの準備と
家の売却が済み 手続きも終わり
彩代と子供達
田中さんへの支払いを
済ませたことを
赤木弁護士に連絡する。

赤木弁護士に
支払いの報告と
家を売却するに当たり
彩代と子供達に
必要な物はないか
再度確認してもらい
必要ないものは
全てを廃棄する。

そして、赤木弁護士に
会社を辞めようと考えていたが
同期から
話しがあって東北へ行くと
伝えて両親に報告して欲しいと
お願いした。

家の売却代の俺の取り分は、
全て両親に渡して欲しい。と。

俺は、財産分与だけで
後は働けば良い事だ。

彩代のおかげだ。

節約しながら
窮屈さも感じなく過ごせた。

小遣いを減らされる事もなく
身なりもきちんとして過ごせた。

本当に、何度考えても
俺はバカだ。
彩代と変わらぬ生活をしていたら·······

はぁっ、女々しい。
自分が仕出かした事だ。
自業自得だ。

だが、結局
彩代にも子供達にも
詫びる事が出来なかった。

彩代が出ていってから
食事もだが
睡眠もうまく出来ていない。
酒の力も借りて
一、二時間は眠れるが·····
後は、ゴロゴロしているだけだ。

考えても仕方ない
自分が仕出かした事だから

でも······

ああ、していたら、こうしていたらと
後悔と後悔と後悔しかない。

そんな日々の中
引き継ぎも無事に終わり
明日、東北へと向かう。

もう一度
いちからやり直す
必死で働いてる見る

そしたら·····もしかしたら······と。
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