笑顔が消える
穏やか①

この一年
本当に穏やかに過ぎて行った。

暁さんは、本当に優しくて
私を大切に大事にしてくれる。

あの日、太智さんと香菜恵に
報告してからの帰りに
マンションまで送って貰った。
手を繋いで歩く
なんだか····とても恥ずかしかったが
心が喜んでいた。
マンションの入口で
暁さんからキスをされて
真っ赤になってしまった。
「本当は、ずっと一緒に居たいけど
焦らないよ。」
と、言ってくれた暁さん。

それからは、休みの前には
一緒に食事をしたり
休み日は、二人で出掛たりした。
たまにカフェにきて
ヤキモチをやく暁さんに
香菜恵と笑いながら
太智さんは、呆れながら
毎日が温かで穏やかだ。

私の方から暁さんに
「暁さんのお家で手料理作りたい。」
と、言うと
びっくりしながら、喜んでくれた暁さん。
大事にされているのは、
わかるけど、我慢をさせたいわけではない。
ただ、ずっとそんな事をしていない
自分ができるのだろうかと
心配で。
香菜恵に相談したら
大丈夫だよって、言ってくれたから。

今日は、暁さんのお家に行き
料理を作って暁さんの帰りを待つ
鍵は、早くからもらっていて
「いつでも来て。」
と、言われていた。
セキュリティの解除も聞いていたが
初めて行った。緊張する。

料理も終わり手持ち無沙汰に
なった時に
❝ ガチャ ❞と鍵が開く音に
玄関へと向かい
「お帰りなさい。」
と、暁さんに声をかけると
一度、ピッとなって
顔を横向けてるから 
ん?と思っていると
「·····おかえりなさい。だって。
いいね。うんうん、いいね。
ずっと言われたい。
あっ、ただいま。」
と、言う暁さんに
今度はこちらが赤くなる。
暁さんは、
私を抱き締めて
「彩代。ただいま。」
と、もう一度言うから
「お帰りなさい。」
と、言いながら暁さんの背中を
ポンポンとすると
ギュッと抱きしめてから
手を洗いに向かう暁さん。
その後姿をみながら
クスクスっ、笑ってから
キッチンへ。
温めてテーブルに並べると
暁さんがやってきて
「うわっ、凄い。美味そう。」
と、またまた大騒ぎ
それを見て、笑いが起き
暁さんも笑いながら頭をかいていた。

二人で
「「いただきます。」」
と、言い食べ始める。
口に合うかドキドキしていると
「美味しい。本当に美味しい。」
と、パクパク食べる暁さんに
嬉しくなる。

暁さんは、沢山食べてくれて
「片付けは、やるから
彩代は、ゆっくりして。」
と、言ってくれたから
ソファーに座り付いているテレビを
見てるような見てないような。

暁さんは、片付けが終わると
「おいで。」と、言って
お風呂へ
使い方を教えてくれて
「ためる?」と、訊かれて
「いつもは?」と、言うと
「バラバラ」と、言われて
今日は、シャワーだけにした。
「ゆっくりで良いよ。」
と、言われて
またまた、ドギマギ······
「暁さん。時間かかって
ごめんなさい。上がりました。」
と、言うと
「大丈夫だよ。」
と、ミネラルウォーターをいる?
と、見せてくれたから頂く。
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