笑顔が消える
あれから
あの結婚式から五年
私と暁さんは、変わりなく
過ごしている。
今日は、長女・真代の結婚式
真代が旦那さんになる人を
連れて来る日
暁さんは、緊張していて大変だった。
「私の大切な娘です。
必ず、幸せにして下さい。」
と、頭を下げるから
相手の方が驚いて
真代と二人で笑ってしまった。
バージンロードで
「お義父さん。ありがとうございます。
これからも母をお願いします。」
と、言われて
涙をためながら
歩いて来る二人に
私も涙が溢れた。
三人の子供達を
本当に可愛がってくれる
暁さんに、ただただ感謝しかない。
空也から
三嶋の祖父母が心配だから
近くにいたいと相談があった。
暁さんは、空也が思うように
やりなさいと言って
もちろん、なにか困った事が
あったらなんでも話してと。
小野のご両親は、女の子が
いないからか真代と仲か良くて
真代がご主人と話して
小野家の近くて暮らしている。
ご主人には、お兄さんがいて
ご両親と一緒に暮らしているらしい。
とても優しいご主人。
真代の病院に来られるメーカーさん
らしい。
星也は、どうしてか
暁さんが好きみたいで
空也や真代も暁さん好きだが
星也は、少しちがう。
暁さん曰く
彩代の事を彼は
とても心配している。
あんなに家族に父親に
尽くしていた彩代を
自分の父親が蔑ろにして
裏切り苦しめた
それが、どうしても許せない
だからこそ
今からの彩代の残りの人生が
穏やかで幸せであって欲しい。
それしかないみたいなんだ。
話していて凄く伝わってくる。
と、暁さん。
「まあ、基本三人とも
お母さん子だよね。」
と、優しく微笑みながら言っていた。
星也は、
暁さんと母さんの事は、
離れていても
俺がきちんとするから。
と、言ってくれていた。