最強総長は姫を眠らせない。🌹
「うん、助けてくれてありがとう」
私はローファーに右足を入れる。
「総長、朝っぱらからシンデレラごっこかよ」
銀髪の男の子が声をかけてきた。
その子は左耳に輪のピアスを付け、黒のパーカーの上にグレーのブレザーを羽織っていて、
隣には同じブレザーを着崩した右耳に玉のピアスの黒髪の男の子と、
私と同じ制服を着た金髪のふわロングの毛先をピンクに染めて触覚を垂らし、前髪パッツンの大人びた女の子が立って私達を見ている。
「バカ、ここでは宙だろ」
黒髪の男の子がにっこり笑って言うと、銀髪の男の子はハッとする。
「あ、そうだった」
「ウチら先に行ってるねー」
金髪のふわロングの女の子が手をひらひらと振る。
3人とも行っちゃった…。
同じクラスの子達…だよね?
てか、“総長”ってワード2回目だ…あだ名か何かかな?
「あの、宙くん」
「何?」
「総長って?」
「あぁ。俺、今、暴走族鬼雪の総長やってる」
「そうなんだ」
ん?
総長やってる?
…………。
えええええええええええええ!?
暴走族の総長――――!?