最強総長は姫を眠らせない。🌹
ズザザァッ。
宙くんは地面に右足を滑らせながらも着地した。
「俺から一人解放させるなんて」
「黒沢、てめぇ強くなったな」
「このままだと俺の大事な姫が風邪をひくから今日のところは一旦引くとしよう」
琉くんはそう言うと私を解放し、
地面に置いてあるリュックから白のパーカーを取り出し、私の両肩にかけ、フードを被せる。
「え、あの…」
「コラ、お前ら何をやっている!」
男性の叫び声が遠くから聞こえた。
琉くんは舌打ちする。
「チッ、室星か」
「室星って?」
「俺のクラス、1-Bのうぜぇ担任だ」
「え……」