最強総長は姫を眠らせない。🌹

「…俺に」
「…なんてね」
 耀(よう)くんはそう言うとあかりちゃんの元へ行き、

美青(みお)、立てるか?」

「うん、(しゅん)、ありがと」

 (しゅん)くんは美青(みお)ちゃんを支えて歩き出す。

雪乃(ゆきの)、大丈夫か?」

「うん、大丈夫。ちょっと頭痛がしただけだから」
 私はそう言うと、首のネックレスを外に出して(そら)くんに見せる。

「このネックレス、(りゅう)くんが渡したって…違うよね?」
「中2の夏に両親に黙って2人で夏祭りに出掛けた時に(そら)くんが買ってくれたんだよね?」

「…違う。それはあいつのだ」

 そんな……。

「なんで…嘘付いたの?」

「そう言わないとお前外すから」

「意味分かんない」
「なんで外しちゃいけないの?」

「あいつの姫の証だからだ」

 姫の証……?

 ズキンッ。

「ッ…また頭が……」

 (そら)くんは私を前から抱き締める。
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