最強総長は姫を眠らせない。🌹
「まぁいいわ」
「今日から登校するから」
「ネックレスちゃんと付けててくれたんだな」
あ、気づいて…。
「やっと会えたわ。長かったわ」
うん、ほんとう、長かった…。
宙くんはズボンのポケットからスマホを取り出す。
「初日から遅刻だけどな」
あ……。
ピキッ。
私は氷のように固まる。
「はっ、なんて顔してんだよ」
宙くんは私の右手を握る。
あ、宙くんの手が触れて……。
「もし暴走族鬼雪の事、誰かに言ったら昔の秘密バラすからな」
ええ!?
「行くぞ」
駅から出ると、
――――サァッ。
風が吹き、まだ残っていた遅咲きの桜の花びらが舞う。
私達はその中を駆けて行く。