最強総長は姫を眠らせない。🌹

 ビリビリビリッ!
 (あらし)くんは(そら)くんのノートを細かく破ると、
 (そら)くんの頭上からパラパラと降らす。

「な、何するの!」
 私がそう声をあげると、

「あぁ?」
 (あらし)くんに物凄い形相で睨まれ、私の体がびくつく。

「ボサ女は黙ってそこで見て怯えてろ」

 いつも(そら)くんに助けてもらってばかり。
 だから今日は私が守るの。

 私は立ち上がると、反対側のソファーに座る(そら)くんの前まで行き、バッと両手を広げる。

「あぁ?」


「じゃ、邪魔するなら帰って下さい!」


 ズキンッ!

 頭の中で絡み合った(いばら)が眠りから覚めたかのような頭痛に襲われ、
 中2の夏に(そら)くんを庇った映像が流れた。

「う…」
 私は右手で頭に触れる。

雪乃(ゆきの)!」
 (そら)くんが立ち上がり、ソファーに座らせる。

「座ってろ」
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