最強総長は姫を眠らせない。🌹
「へぇ、俺のことはずっと無視ってたくせに」
「ボサ女には反応するんだ?」
ダァンッ!
宙くんは瞬時に嵐くんを壁に追い詰め、右手で首を締め上げる。
「次、ボサ女って呼んだら殺す」
宙くんが鬼の形相をして脅すと、
「いい顔見れたし今日はこのまま帰ってやるよ」
嵐くんはそう言うと部屋から出て行く。
宙くんが近づいてくる。
「雪乃、大丈夫か?」
「うん、もう平気」
私がそう言うと、宙くんは私の頭を撫でた。
「え!? 夕冠高の人!?」
「今、ウチらの部屋から出て来たよね!? なんで!?」
あかりちゃんの驚いた声が廊下から聞こえてきた。
「おら!」
「待て!」
春くんと耀くんの声と駆けていく音と共に、
美青ちゃんとあかりちゃんが慌てて中に入って来る。
「宙!」
「ゆきのん、大丈夫!?」
「あぁ」
「うん、大丈夫」
私は笑って答えるも不安に襲われる。
校外学習の時は痛みだけだったのに――――。